相続登記の期限と相続人申告登記

文責:弁護士 石井浩一

最終更新日:2025年08月05日

1 相続登記の期限

 2024年4月1日から施行された不動産登記法では、不動産を取得した相続人に対し、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をすることが義務付けられています。

 また、正当な理由のない相続登記の申請漏れは10万円以下の過料が課されることになります。

2 相続人申告登記

 しかしながら、亡くなった人の不動産を相続した人の中には、相続人が多数存在するため相続人調査に時間を要し、すぐには相続登記をすることも難しい場合があります。

 そのような相続人のために、とりあえず簡易な手続きで自らが相続人であることを申告することを可能にしたのが、相続人申告登記の制度となります。

 すなわち、相続人申告登記制度では、①所有権の登記名義人について相続が開始した旨と、②自らがその相続人である旨を申請義務の履行期間内(3年以内)に登記官に対して申し出ることで、申請義務を履行したものとみなすとされています。

 参考リンク:法務省・相続人申告登記について

 相続人申告登記をすると、この義務を一旦は免れることができます。

 ただし、相続人申告登記によって義務を免れることができるのは、あくまでも申告をした相続人に限り、申告をしていない他の相続人は義務を免れることになりませんので注意が必要です。

 また、相続人申告登記をすると、登記簿に申告をした人の氏名と住所が載ることになるので、その点も留意しておきましょう。

3 遺産分割協議後の登記

 上記の相続人申告登記をしたとしても、同登記後に遺産分割協議が成立した場合、遺産分割協議が成立してから3年以内に遺産分割協議内容を登記する必要があります。

 相続人申告登記は、あくまでも申告人が相続人であることの事実を記載した登記にすぎません。

 したがって、遺産分割協議によって最終的な相続不動産の権利移転があった場合には、当該権利移転を登記に反映させるための登記が別途必要になるのです。

 相続人申告登記をはじめ、相続登記には専門的な知識が必要になりますので、相続登記を検討される方は一度専門家に相談されることをおすすめします。

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